ひこまるの可愛いナンパブログ

夜遊会 会長ひこまるの夜遊び日記

ただいま

 

 電車の窓から見える景色は、都会のビルが立ち並ぶ窮屈な景色から徐々に、田舎町の田んぼの景色へと移り変わる。十代後半まで過ごした街の駅に、終電の電車が止まる。

2017年、年末。

数年ぶりに地元へ帰省した。

 

 電車を降りると、この街独特の匂いがした。懐かしい匂いと街の景色。海と山に囲まれた地方都市。気温は4度の真夜中なのに、年末のこの街は人で賑わっている。

街を歩くと、知らない店がたくさんできていた。高層マンションもたくさん立っている。

「懐かしいこの街も少し変わったな」と思い、俺は急いで同級生の待つ居酒屋へ向かった。

 

 大阪に住んで十年以上の月日が経つ。

初めは圧倒されていた都会の街並みも、今は慣れたもんだ。都会の時間は速い。二十代のほとんどを大阪で過ごした。あっという間だった。時間に追い越されないように、生き急いだ生活をした。

この都会の街は、欲で溢れている。金と女。

俺は女だった。

遊んだ。

十代後半から二十代前半の頃は、遊び方もろくに分からなかったが、毎晩遊んだ。たくさんの失敗もした。それでも日々、刺激を求めた。

そして、二十代後半に〝ひこまる〟と出会った。たくさんの友達ができた。毎日が刺激的で楽しかった。四六時中、ひこまると一緒だった。Twitterを開かない日はなく、ブログも書かない月はなかった。

この一年半、俺はひこまるだった。

 

 小さな飲み屋街の居酒屋につき、地元の同級生と酒を酌み交わす。俺が地元へ帰れば、毎回集まる奴等。

その奴等も徐々に減っていく。この忙しい年末に、結婚した奴はなかなか出てこれないみたいだ。ここにいる数人は、みんな独身。「こいつらは結婚できないだろうな」と思い、自分もその中にまだいることに笑えてきた。

酒を飲みながら昔話。笑う、飲む、笑う、飲む。久しぶりの再会に酒が進む。

「お前は変わってないな」

「お前もな」

俺達は住む場所は違っても、同じ様な十年を過ごしてきたのかもしれない。酒と女が好き。結婚はまだしていない。

俗に言う〝世間一般から外れた人〟。大阪では紛れるが、この地方の街に帰ると、それを強く思う。

 

 ふと、昔を思い出す。 

昔から人と一緒が大嫌いだった。

小学校に入る時、親に特注の緑色のランドセルをねだった。その当時、ランドセルは赤と黒しかなかったが、俺のランドセルは緑。同じ時間に学校に通い、同じ勉強をして、同じ給食を食べる。校則という、どうでもいい決められたルールが大嫌い。

学生時代はバイクで街を走らせた。あの頃は誰よりも自分が一番速いと思っていた。

傾いた。(かぶいた)

派手な身なり、派手な生活。傾奇者と鼻で笑われても傾いた。

幼い心は、俗物に囚われた普通の人を見下し、「俺は他の奴とは違う」、いつしかそう思うようになっていた。二十代後半になった今でもその名残はある。この金髪だけは変わらない。人とは違う俺の意思表示。

 

 酒はビールからいつしか熱燗に変わったが、話は尽きない。

奴等からいろんな話を聞く。あいつは結婚した、あいつは離婚した、あいつはどこかに行った、あいつは死んだ。

この歳になって分かったことがある。

それは、良いも悪いも、上も下もなく、それぞれにそれぞれの人生があり、ただ違いがあるだけ。

俺にバイクを教えてくれた先輩は二児の父。金持ちで真面目なあいつはひきこもり。生徒会長だった同級生はリベンジポルノで捕まった。

俺は傾奇者ではなく、ただ俺なだけ。

その日は朝、日が昇るまで飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2017年が終わり、年が明ける。

大晦日の夕方から酒を飲み、年越しをして初詣に行き、それからまた街に飲みに出た。

その日も朝まで飲んだ。ほとんど記憶は無いが、楽しかったのは覚えている。 

元旦、実家のベットの上で目を覚ますと二日酔いが酷い。それでも腹は空く。

「なにか食べに行こうかな」と思い、スマホを手にとると、たくさんのLINEが届いていた。

数人の地元の女の子達からもちらほら。

「あけましておめでとう」

「帰ってきてるの?」

「久しぶり、飲みに行こうよ」

元旦の昼過ぎに一人の女の子とファミレスでランチを食べて、車で山の麓にあるラブホテルへ向かった。大阪のホテルとは全然違う。窓から見える景色は、絶景で、緑に包まれた街と、その先にある大きな海。

行為後、「ここから見える景色は綺麗だなー」と言うと、「元旦の昼から何してるの?」と、笑いながら言われた。

自分でも本当にアホだと思う。

 

 正月の三が日も、独身の奴等と朝まで遊んだ。本当によく飲んだ。楽しくて朝まで飲んでいたのか、することが他に無いから飲んでいたのかわからない。

夕方から酒を飲み、朝に寝て、昼に起きてラーメンを食べて、温泉に入る。そしてまた飲みに行く。久しぶりに実家に帰ったのに、そんな生活が五日間続いた。もう、ずっとこっちに住んでいるかのような感覚に落ちる。

ここには華やかなネオン街もないし、CLUBもない。大阪に比べれば人も少ない。年が明けてTwitterは開かなくなった、ここにはひこまるはいない。

 

 「いつか結婚とかすんのかな?」

年々、結婚の話をすることが多くなった。同級生が次々に結婚して、いわゆる、落ち着いたからだ。

「そろそろ落ち着いたら」

落ち着くってなに?

多分、子供が出来て、家を買って、ファミリーカーに乗り、安定した仕事をしながら、休日は子供のために時間を使う。

「ふざけんなバーカ」と俺はずっと思っていた。でも、そんな落ち着く事も、少しいいなと最近思う。

俺もいつかそんなできた人間になれるかな?

いや、まだ無理だろう。そんな人間は元旦からあんなことしないよ。

自問自答に答えた自分が、笑いながら言った。

 

 久しぶりの帰省で改めて思った。俺はこの街が好きだ。街の景色も人も。魚と酒は旨い。時間はゆっくり流れ、人を優しくしてくれる。

都会には無いものがそこにはある。

 

 ひこまるはどう思っているだろう?

もういいかな?

でも、俺はまだ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山を背に、海を見つめて、電車に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 電車の窓から見える景色は、田舎町の田んぼの景色から徐々に、都会のビルが立ち並ぶ窮屈な景色へと移り変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 慌ただしい年末年始があっという間に過ぎていった。数日ぶりにTwitterを開く。正月からみんなよくやってるな笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なぁ、ひこまる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はまだ、もう少しお前と一緒にいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうすぐお前のとこへ帰るよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十代後半から今まで過ごした街の駅に、電車が止まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただいま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年、明けましておめでとう御座います。

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ひこまる♡