ナンパに愛をこめて〜月にむら雲、花に風〜
やっぱこの感じが好きだなー
いつもより少し早めに起き、外の寒さを想像して少し熱めの湯船に浸かる。シャワーを浴び終えてから、温かいコーヒーをドリップする。もちろんシュガーはたっぷり入れる。普段は飲まない甘ったるい味が、昨夜の疲れを癒してくれる。
昨夜を共にした彼女はまだベットの中で眠っている・・・・・
この朝方のホテルの感じは何度も経験している。そして、何度経験しても幸せな気分になる。
けど、その幸せな気分とは裏腹に、ひこまるは思った・・・・・
『繰り返す即になんの意味があるの?』
2月某日・・・・
ひこまる「やあ♡お姉さん飲みに行こー♡」
「えー、無理無理ー」
ひこまる「んじゃ、LINE教えて♡毎日オリジナルのポエム送るから(*´ω`*)」
「マジで無理www」
おかしいなぁ・・・・・・ポエムルーティンを使ってもバンゲできない。
ひこまる「んじゃ普通に今度飲みに行こ!コンパとかもするから(*´д`)」
「んー、それならいいよー」
ひこまる(よっしゃ!(o^∀^o))
この日は友達と飲みに行って、ふと、ひこまるBARの前を通った。その時、BARの中から出てきた女性に声をかけた。そして、今度飲みに行こルーティンを使い、バンゲ。
最強LINEメンテ、焼肉ルーティンを使い、アポは一週間後になった。
カルビ・・・・
アポ当日・・・・
PM20:00
M街
冬の乾燥した風が街を吹き抜ける。
ひこまる(寒いなぁ〜年末年始でもっと太っとけばよかった、、、)
しばらく待っていると、本日のアポ相手の女の子登場・・・・
深子
30代前半 年上のOL 身長170cmくらい 頭良さそう 意識高そう ちょいちょい上から目線
深子「ごめーん、お待たせ〜」
ひこまる「あー、めっちゃ待ったわ!寒いから帰えろうかと思ったw」
深子「んじゃ帰ろうか(^^♪」
ひこまる「うそうそうそwww焼肉食べに行くwww」
二人で焼肉屋へ向かう。
てくてくてく・・・・・・
焼肉屋イン
すぐにビールと肉を注文して、焼く・・・・・
じゅ〜〜〜〜
じゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バクバクバクッ!!!
ひこまる「焼肉うめええええぇぇぇwww」
深子「ひこまるくんよく食べるねw」
ひこまる「うん、肉大好き♡」
深子「(*^^*)」
あー、焼肉は最高だ!!ビールが進む!!
お腹いっぱいルーティン(焼肉バージョン)を駆使して深子も笑顔になる。
いいか、よく聞け草食男子共!!
女の子はたくさん食べる男が好きだ!!
さて、そろそろ・・・・・・
ひこまる「カルビ!ロース!ハラミ!追加で!!」
まだまだ食べる!!
焼肉はいくらでも食べれるぜ!!
ちなみに、よく焼いて食べたらカロリーは0だ!!
お腹いっぱいルーティン(焼肉バージョン)で深子は仕上がったと思い、深子の方に目をやる・・・・・
深子(こいつまだ食べるんかい・・・・・・気持ち悪っ!)
う〜ん、ちょっと食べすぎたかなw
てへっ☆
深子はめっちゃ引いていたwww
※食べすぎ注意
しかし、焼肉をたくさん食べたひこまるは満足だ。
ちなみに特に深い話はしていない。
ほとんど「焼肉美味しいね♪」しか言ってない。だって美味しいんだもん、仕方がない。
焼肉屋退店
ひこまる「あーーー!お腹いっぱい!焼肉さいこー!!!!」
深子「ほんまめっちゃ食べるなー、ちょっと引いたわw」
ひこまる「まだまだ食べれるよ♪・・・・・・あ!ラーメン屋発見!!」
深子「・・・・」
ひこまる「うそうそwもう食べないwでもまだ時間あるからアイスでも食べようか?(*´ω`*)」
深子「いいよー、アイス食べよー(^^」
アイスルーティン・・・・・・数々のナンパ師が使用する、ホテルに誘う口実のルーティン。
※コンビニでアイスを買い、食べる場所が無いからホテルで食べようと誘う。
しかし、ひこまるのアイスルーティンは一味違う・・・・・・
ひこまる「こっちこっち♪」
てくてくてく・・・・・・
ひこまる「ここ♪」
深子「おお、ええ感じやん(・∀・)」
最近見つけたデザートの美味しいオシャレなBARでアイスを食べる!!
やはりアイスは既製品のより店で食べる方が美味い。チョコも乗っているしキャラメルソースも掛かっている、そこの方にはラズベリーソースという嬉しいサプライズも。
ひこまる「アイスうめええぇぇぇwww」
深子「美味しいねw」
アイスを食べ終わり、オシャレなカクテルで乾杯。もう邪魔者はいない、やっとゆっくり深子と話せる。
しばらく深子の話を聞いていると、出てくる出てくる、職場の上司や後輩、そして元彼を含めた男の愚痴・・・・・
深子「最近めっちゃストレス溜まるねん・・・・・・」
女30代・・・そりゃ殺したい人の一人や二人いてもおかしくない。
深子「で、ひこまるくんはどう思う?」
ひこまる「うーん、俺はあんまり考えないかな、すぐ忘れるしw」
深子「楽観的なんやね」
ひこまる「そうじゃなくて、嫌な事があったらとりあえず『生きてるだけで幸せ』って思ってる」
深子「生きてるだけで幸せ??」
ひこまる「うん、だってね、健康で、食べたいもの食べれて、お風呂も入れて、屋根のある家で寝れるやん。人間ってそれだけで幸せやん♪」
深子「なんかスケールデカいなwでも、たしカニ一理ある!」
ひこまる「人間って日常の幸せには気づかないからね♪ほら、このお酒もめっちゃ美味しいやん♪ゴクゴクゴク、おかわりもーらお(*´ω`*)」
深子「ひこまるくんおもしろいねw」
生きてるだけで幸せルーティンを使い、トークを徐々にひこまるのペースに持ってくる。アポの時は愚痴より楽しい話をした方が絶対いい。
深子「あと私、向上心と行動力ある人が好きやねん。ひこまるくんって仕事とかでやりたいことある??」
深子が意味深な質問をしてくる。いわゆるクソテストだ。
ひこまる「うーん、やりたいことありすぎて困ってる(*´д`)」
深子「へー、例えば?」
ひこまる「農家とかして牧場ほしいし、漁師もしたい♪あとプロのスポーツ選手にもなりたいし、タレントとかもしたい♪フードコメンテーターとして美味しいもの食べまくって痛風になって最終的には痛風アドバイザーって仕事もしたい♪それとIT関係の会社を立ち上げ・・・・・・」
深子「多すぎ多すぎwwwてか、まとまり無いなwww」
ひこまる「まだまだいっぱいあるよ(´∀`*)」
深子「いや、もうええわwそんないっぱいあったら何も行動できんやん(。-ω-)」
ひこまる「うん、だから全部来世にすることに決めてる(*´д`)」
深子「来世ってwww」
ひこまる「だから今回の人生は一つの仕事を死ぬまでやりきる事にしてる(*´ω`*)」
深子「おぉ・・・・・・急にカッコいいこと言うな(*゚O゚*)」
全部来世にするルーティンを使い、深子のひこまるを見る目が徐々に変わる・・・・
深子(ひこまるくんステキ♡)
※ひこまるの主観です
ひこまる「さて、そろそろ出ようか♪」
深子「うん(*^^*)」
BAR退店
てくてくてく・・・・・
ひこまる「ホテル行こ(*´ω`*)」
深子「やっぱりなwwwてか、誘い方雑www」
ひこまる「嫌なん??(´・ω・`)」
深子「えーーー・・・・・・」
てくてくてく・・・・・・
しゃ!!!!
ついてくるんかーいwww
部屋に入るとすぐに深子が求めてきた・・・・・
深子「ひこまるくん/////」
やはり年上の女性とのアポはおもしろい。さっきまで上から目線だった深子が今は一人の女になっている。この立場が逆転した感じがひこまるは好きだ・・・・・・
さぁ、19ぜ!!!!
いっただっきまーーーーーーす!!!!!!
深子「あんあんあんあぁぁん!!!ああああぁぁぁぁ!!!まだイッちゃだめえええぇぇぇぇ!!!!!」
ひこまる「あばばばばばばばば!!!!!!!イクぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
いかされました♡
ぴえぇぇwww立場変わってねぇwww
疲れたひこまるはすぐに眠りについた・・・・・
ひこまる「おやすみなさいZzz・・・・・・」
・・・・・・・・・
朝、いつもより少し早めに目覚め、シャワーを浴びて、コーヒーを飲みながら思う。
昨夜は深子と同じ夜を過ごせてよかった。もしあの時、声をかけなければ昨夜のような刺激的で楽しい夜はなかった。全然接点の無い男女が出会う、ナンパって本当にいいなと思う。
でも、コーヒーを飲み終わってから思った。
『繰り返す即になんの意味があるの?』
もう、答えは出ている。意味なんてない。
ただ一時的な刺激と、今ここにある少しの幸せな時間があるだけ。だが、それはすぐに消えてなくなる・・・・・
電気もつけず、暗い部屋のままで深子を起こし、着替えてホテルを出た。
外は朝日が眩しく、冬独特の朝の匂いがした。
街には昨夜の浮かれた人達は居なくなり、スーツを着たサラリーマンやOLが会社へと出勤していた。昨夜の街も消えてなくなった・・・・・・
深子「ひこまるくん、また遊ぼうね♡」
ひこまるの隣にいる深子の声が聞こえた。
そうだ、深子はまだいるじゃないか。
「また遊ぼう」と返事をしようと深子の方へ振り向いた・・・・・・
ひこまる(・・・あれ??)
パチクリ
ひこまる(あれれ!?)
ひこまる(・・・・・・・)
深子「ひこまるくん・・・・・・」
深子「また遊ぼうね♡」
深子の化粧も消えてなくなっていた。
ナンパに愛をこめて
おわり